ここからは「保育施設」について、制度的な視点から解説していきます。
(詳細な部分は各自治体や園に任せられているケースも多いため、ここでは「概要」をつかんでくださいね)
まずは、下記の6つについて説明します。
- 認可保育園
- 小規模保育
- 家庭的保育
- 事業所内保育事業
- 幼稚園(預かり保育)
- 認可外保育施設(認証保育所・無認可保育施設など)
目次
■認可保育園
国が定めた「児童福祉施設最低基準(職員数・設備・保育内容など)」を満たし、自治体から認可された保育施設。
「就労などが理由で、保護者が保育のできない家庭の0歳~就学前の子ども」が通うことができます。
基準や保育料などは基本的に同じですが、運営団体の違いで「公立」と「私立」にわかれています。
- 私立保育園
運営団体が社会福祉法人・企業・NPOなど
運営方針が団体によりさまざまで、特色ある保育が行われている - 公立保育園
運営団体が自治体(市区町村)
保育士は公務員でベテランが多い
■小規模保育
「3歳未満児対象」の定員が6~19人の小規模な保育を行っています。
いわば、認可保育園の小型版のようなイメージです。
●小規模保育と認可保育園の違いは?
今まで認可保育園には「定員が20人以上」という基準が設けられていましたが、2015年4月から開始された「子ども・子育て支援新制度」によって「6~19名を定員とする小規模な保育施設」も認可に加わることになりました。主な違いは「定員(規模)」になります。
■家庭的保育
別称「保育ママ」
「3歳児未満児対象」で「5人以下」の子どもを、保育者の自宅などの家庭的な環境で保育します。
■事業所内保育事業
基準を満たした院内保育所や企業内保育所を「認可」し、従業員以外も利用できるようになっている施設です。
例:東京大学内の保育園 (一部、大学関係者以外も受け入れ可能な園があります)
■幼稚園
幼稚園(3歳以上児対象)で、正規の保育時間が終わっても、希望者には「預かり保育(一時預かり)」で、さらに夕方まで保育します。
詳細は「保育園・幼稚園・認定こども園の違い」もご覧ください。
■認可外保育施設(認証保育所・無認可保育施設など)
国が定めた基準を満たして自治体に認可された保育施設を認可保育園といい、そうではない保育施設を総称して「認可外保育園」といいます。
その中でも、自治体の基準を満たして補助金を受けている施設(認証保育所など)もあれば、まったく公的な補助金を受けない施設もあります。
●認証保育所
国が定めた基準は満たせませんが、自治体が設けた基準は満たし、補助金を受けている保育施設のことです。
(自治体によって制度名は異なります)
●無認可保育施設(その他の認可外)
- 基準自体は満たしてはいるが、従業員以外の子どもは受け入れず、補助金を受けない事業所内保育所
例:東京大学内の保育園 (利用対象は大学関係者 ※一部の園は一般もOK) - 基準を満たさない、もしくはあえて認可をとらずに、独自の保育や教育などを行う保育施設
などが「無認可保育施設(その他の認可外)となります。
基準を満たしていない(満たさない)ため、保育の質や、方針・考え方は、園によりさまざまです。
- 教育的な側面を重視し、習い事がたくさん受けられる園
- 外国語での保育を行う園、スクールバスによる送迎がある園
- 長年、地域で家庭的な保育をされ、卒園生や保護者に愛されている園
なども多くあります。
「無認可保育施設だから、良くない」のでは、ありません。
基準を満たさない理由や、満たせない部分(例えば、園舎の広さが足りないなど)もさまざまです。
ぜひ、気になる園は見学に行ってみることをおススメします。
保育園と幼稚園、そして最近産まれた「こども園」についてご説明します。
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